彼に優しくされたなら、すぐに消毒液を。
きっと 触れたところから腐って解けてしまうから。
「随分な言われようで」
「だって蛭魔君がなんの意味も無くあたしに優しくしたりなんかしないわよ」
「絶対」
根拠の無い自信で断言したら、彼はつまらなさそうにそっぽを向いた。
沈黙が二人に降りる。
「だけど」
「意識も無くあたしに優しくしてくれることは 知ってる よ」
と言ったら、
「馬鹿じゃねぇの 死ね」
と言われた。
そんなことを言っても、本当はあたしに死んで欲しくないことも 知ってるよ
と言おうと思ったけど、
そんなことを言ったらきっともう二度とこっちを向いてくれなくなるだろうな
と思って、
替わりに、
「消毒薬はいつでも用意しておくから、好きなだけ利用してね」
と言って手を握った。
彼は暫く逡巡して、
「お前ほど扱いにくい女は、使えない」
と言った。
相変わらずこっちは見てくれない。
だけどその言葉に
あたしの胸のどっかが腐って駄目になっちゃったみたいに痛むから
やっぱり消毒薬は必要だわ、とそっと思った。
*****
えーと、蛭魔のやさしさはわかりづらいっつー話?(違う)
まもりちゃんの言うところの「消毒薬」とは理性のことですな。
あの悪魔のせいでうっかり人間の道徳心を無くさないように・・・みたいな(は?)
2005/02/16