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抜け出せないあたしの迷路。





「蛭魔君が、」
「あ?」
「もしも女の人だったら、」
「おぞましいことを言うな」

「じゃあ、蛭魔君が、」
「何だよ」
「もしも人間じゃなかったら」
「真っ先にテメェを呪い殺してやる」
「今だって十分邪悪な精気を吐き出してるじゃない」
「こんな善良な高校男子をつかまえて寝ぼけるな」
「あ・・・あたし痴呆症で幻聴が聞こえ出したかも」
「死んでしまえ」
「あー呪われたー」


彼はさも忌々しそうにあたしを見やる。
あたしはたいして何も感じずにその目を見つめ返した。





どうして蛭魔君は蛭魔君なんだろう。
どうしてそういう風なんだろう。
どうして


どうしてあたしは彼と一緒にいるのかな。


「・・・じゃあ、蛭魔君が」

「もしも人間だったら」
あたしと一緒にいる決まりだったのかな。






「・・・何が仮定なんだテメェ・・・」



思考に夢中で、あたしは自分の失言に全く気付かなかった。
何故彼は怒っているんだろう?

ああまた迷い道が増えた。

困り果てたあたしを彼はもう見向きもしない。
怒って無視するなんて、子供っぽいにも程がある。
そう思っても言わない。
言えばまた、その機嫌を直すための迷い道が出来るから。
まずはこの最新の迷い道を片付けよう。






答えを出す前に次々と難題が重なっていく。
抜け出せないあたしの胸の 悪魔の迷路。

***
すげーマイペースなまもりちゃん。
頭の中で一生懸命「蛭魔君」を整理しようとしてる。
そんなことしてるから迷うんだよ。

(2005/02/18)