明日死んでしまうのなら、死んでしまう と
そう言ってくれれば 良いんです。
誰かに殺されようが、車に轢かれようが、自然災害に巻き込まれようが、構いません。
死ぬんだ と、知らせてくれるのなら。
いきなり、訳も分からず、
「死ぬまで反省しろ、この糖尿予備軍。いやむしろ死んでしまえ糞上司」
とかいう言葉が最後に言った言葉になってしまうようなのは ごめんです。
そこまで言った辺りで、処置が終わって 締めの意味合いで軽く相手の右腕を叩いた。
叩かれた銀さんは、特に表情をしかめることもなく「あんがとな」と言った。
「感謝も良いですけど、謝罪もしてください」
100円ショップで買ったとはいえ、その包帯3個で肉が買えたのに。
今週の残りは油揚げと卵でたんぱく質を摂るしかないな。
ぶちぶち文句を垂れていたら、「済んだことは気にすんなよ」と言われた。
「反省をしなければ、次回に反映されないでしょう」
「毎度反省はしてるんだけどねー。怪我してから思い出すんだよなぁ」
「ありえない このトリ頭。天パ」
「えっ、なにこの手酷い暴言」
いつもの暴言を吐いたことで 許されたと思ったのか、途端に銀さんは軽口を叩き始めた。
死ぬのだと教えてくれれば、その身体に抱きついて「嫌だ」と泣き叫ぶのに。
そして本当に死んでしまうまで傍を離れず、優しさだけを与え続けるのに。
銀さんは理解しているのか知らないけれど ことこれに関して、彼を責めたことなど一度も無い。
僕はいつも 願い 請うているだけだ。
「死ぬと言わなかったなら、死なないでください」
それを聞いた銀さんは少し笑って 「ゴメンネ」と言った。
どういう意味だ ばか。
***
そこで「死ぬつもりもねーんだから 死ぬわけないじゃん」とか言わないところが銀さんの優しさだと思う。
因みに、新ちゃんは神楽ちゃんにも同じことを言いました。
ただ神楽ちゃんは滅多に怪我して帰ってこないので、銀さんほどは危ぶんでいないけど。
(2005/04/29)