どんな人が好き? と聞くので、 優しい人間だ と答えた。
相手は ガーン、という表情をしていたので、思わず笑ってしまった。
「なんて顔してんですかアンタ」
「いや、だって・・・え?優しい人間?」
「僕にも世界にも優しい人間が好きですね」
「優しい って、優しいだよな」
「優しい が 意地悪だったら、嫌ですね」
「・・・俺今日 神楽の酢昆布食っちゃったんだけど」
「そりゃ後が怖いっスね。・・・あ、そういえば神楽ちゃんも銀さんの隠してたチョコ食ってましたよ」
「エッ」
さっきとは違う意味でまたガーン!という顔をしていた。お互い様じゃん。
なんかもうショックが重なり過ぎてるらしく、銀さんはがっくり項垂れてしまっていた。
「なんスか もう」
「・・・俺という人間が新八に好かれるにはどうすればいいんだろう・・・」
「ハァ〜?」
「アッ嫌な顔!すんなバカ、傷付くんだぞ!」
「じゃあ嫌な顔させないでください。気持ち悪いなぁ」
「うぅっ!鬼!鬼がいるよ!」
わッ と銀さんは顔を覆って泣き真似をした。
優しくするやり方なんてわかんねぇよ!チクショウ!と喚いた。アホだなぁ、この大人。
なんだか可哀想で可愛くなってきたので、頭を撫でてあげた。
別に
優しい人が好きってだけで、銀さんが優しくないからって嫌いになったりしません。
銀さんが優しくなくても、意地汚くても、だらしなくても 嫌いになんてなったりしません。
だって 嫌いじゃないし。
嫌えないし。
どんな人が好き? と聞くので、 優しい人間だ と答えた。
もしも 誰が好き? と彼に聞かれたなら、迷わず
貴方です と言うのにね。
***
それに新八は別に銀さんが優しくないとは思ってないしね。
もし他の人に誰が好き?と聞かれたら新八は「優しい人」と答えます。
微妙なこだわりなのです。
(2005/04/29)